top of page

 

  【大規模修繕に見る管理組合の悩みとマンション管理士の活用……現場レポート】

              

     ≪事例:築37年150戸のマンションからの最近の相談≫ 

                                                          (Q:理事会の相談内容、A:回答)


Q1:大規模修繕にどのように取り組めばよいか。

 A:理事会には多くの仕事があり、また修繕の知識の乏しい方も少なくないため、

   修繕委員会を設置して調査検討させ、その結果を理事会に具申させて進める例

   が多いです。
 

Q2:当マンションでも過去に修繕委員会を立ち上げて行ってきたが、修繕委員会の

   メンバーがいも特定の少数者で運営が不透明であり、理事会の上に立つような

   発言が多く、ボス化している、との批判がある。理事会が修繕委員会の意見に

   拘束されるとすると困ったことになるが。
 A:管理規約にあるように、専門委員会の設置は理事会の任意であり、仮に設置し

   てもその意見に理事会が拘束されるわけではありませんが、修繕委員会がボス

   化し、業者選定や見積が不透明化している事例は間々見られます。今回は理事

   会主導で進められてはいかがでしょうか。
 

Q3:理事会で行うとして、管理会社に任せるべきか、他に設計監理方式を聞きます

   が?
 A:管理会社任せは責任施工方式と言って、窓口が管理会社に1本化され理事会の

   手間はかかりませんが、管理会社の中間マージンが発生し、施工費用が割高に

   なります。また、施工業者に丸投げで施工監理は行わないことがあり、施工費

   用の提案も管理組合の財布の中身を知っての提案で、修繕の必要な個所の提案

   が適正になされているか疑問がもたれます。設計監理方式は設計・監理と施工

   を分離する方式で、それぞれ公募により業者選定を進めることで競争原理が働

   き、工事費用の適正化と工事の質が確保できるというメリットがあります。最

   大のメリットは、組合員に対して透明性が高いという事です。
 

Q4:修繕積立金不足が発生するかもしれないが、どう対処すればよいか。
 A:通常は、修繕箇所を絞り込む(ex.足場の掛からない廊下等の修繕を省く)方

   法の他、借入で対応します。借入は住宅金融支援機構のマンション共用部分リ

   フォーム融資(現在は低金利で、1%未満の利息)を利用するのがよく、東京

   都のマンション改良工事助成を利用すると利息1%が補填されますので、結果

   無利息となります。なお、マンション管理センターが保証人になりますので、

   保証料はかかります。


Q5:応募設計事務所への共通見積書の作成をはじめ、具体的な進め方が分からない

   が。
 A:マンション管理士は管理組合の立場に立ち、管理組合の利益と円滑な運営に寄

   与しています。書類の案文作成を含め、進め方等、困ったことは何でもマン

   ション管理士がサポートします。
 

(※後記・現在、大規模修繕のサポートの業務委託契約を締結し、修繕手続きを進めています。)
                                           【担当・文責:酒井】


 

bottom of page