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           「専用使用権」とは

 

 皆さんはマンションに初めて居住すると「専用使用権」という言葉が使われますがお分かりでしょうか。専用使用権とは、マンションの専用庭、バルコニー、ルーフバルコニー、駐車場など、敷地や建物の共用部分(専有部分以外)の一部について、特定の区分所有者のみが使用できる権利をいいます。 バルコニー以外の専用使用権を持つ居住者は、毎月、規約に定める「専用使用料」を管理組合に支払うのが通常ですが、専用使用料はそれぞれの管理に要する費用(又は管理費)または修繕積立金に充当されます。特に駐車場の場合、利用希望者と駐車台数とのかい離、近傍同種の民間駐車場との料金格差等問題が顕著化しております。

 更に20年程前になりますが「専用使用権の分譲」によるトラブルが原因として裁判事例が多くありました。竣工当初に設定された規約(原始規約)の一部には「区分所有者である分譲業者、等価交換方式により建設された場合における元地主等に対し、駐車場・広告塔等を「無償」で専用使用する権利を設定したり、管理費等の負担につき、法の定める原則と異なる格差を設ける旨の規約を制定され、これが分譲会社等と各区分所有者相互間で紛争の要因となっており、この不公平な規約については法的何らかの対処が必要である。」ことが指摘されておりました。

 そこで2002年(平成14年)区分所有法の改正が行われ、第30条第三項では「前二項に規定する規約は、専有部分若しくは共用部分、又は建物の敷地若しくは付属施設につき、これらの形状、面積、位置関係、使用目的及び利用状況並びに区分所有者が支払った対価その他の事情を総合的に考慮して、区分所有者間の利害の衡平が図られるように定めなければならない」と制定されました。

 分譲業者や元地権者の優越的地位の濫用ともみられる権利を維持し続けることによる新たな区分所有者とのトラブルだけは避けなければならないですし、そのためには区分所有者間の長くのしかかる困難な問題として当事者等はこれらを克服する地道な努力と交渉、解決例の積み重ねにより、「世代交替」のための将来を見据えて対処してゆく必要があります。

  参考:コメンタールマンション区分所有法第2判
     マンション判例の解説(第3判)
                               (文責 早獵)

 

                               

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